「× 努力した人が報われる社会」、「○ 努力しろ、結果は知らん」
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【正論】教育が日本の活力を底上げする 学習院大学教授・伊藤元重
http://www.sankei.com/column/news/171220/clm1712200004-n1.html
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副題(?)に「努力が報われる社会を望む人々」と書いてあったので、少し興味がでました。
「少し前に読んだ本の中に意外なことが書かれていた。」
「意外なことに、米国のアフリカ系市民の中には、共和党の支持者がそれなりに多いというのだ。」
それなりに多いって、どのくらい?
20%なのか、それとも50%なのか?
「この著者の解釈は次のようなものだった。アフリカ系の人たちの中には、今は貧しくても将来豊かになる可能性があることが重要だと考える人もいる。今は貧しくても、プロ野球選手や歌手などになって、大金持ちになる人も多くいる。才能があれば、あるいは努力をすれば、それが報われるような社会がよいというのだ。」
才能や能力がある人なら、当然、そのように考えます。
そして、集団の中にいれば、才能や能力に優越がでるのだから、当然、アメリカンドリームを夢みます。
それって、1%の富裕層のことですか。
「昔の日本は貧しくても、多くの人に平等な教育機会が与えられた。そこで頑張れば、皆が幸せになった。それが戦後の経済成長の原動力ともなった。いつの間にかそうした活力が失われてきているように感じられる。
今のような事態が続けば、貧困の連鎖が続いて、埋めようもない格差が定着する社会になってしまう。その格差を埋めるために貧困層に金を配る政策も必要だとは思うが、それでは所詮は対症療法にすぎない。貧困層に金を配るだけの政策では、貧困の連鎖をさらに悪化させることにもなりかねない。
途上国の支援で言われることだが、「貧しい国の人が困っていたら、彼らに魚を分けてやるのではなく、釣り竿(ざお)を与えてその使い方を教えるべきだ」という言い方がある。自らが貧困から抜け出す力をつけることの方が、所得を分け与える以上に重要である、という意味だ。」
言っていることは、正論だと思います。
そして、貧困の連鎖を改善するためにも教育は重要だと思います。
安倍政権が教育の無償化に力を入れていますので、裕福な家庭でなくても大学の進学率が上がるかもしれません。
しかし、それが「努力が報われる社会」なのか?
以前、安倍総理も「努力した人が報われる社会」とか言っていました。
教育の無償化とは、「機会の平等」です。
これは、機会は与えるけど、成功するか失敗するかは、分からないということです。
努力は必ずしも報われるとは限らないと、よく言われます。
(だからといって、努力しなければ報われる確率が低くなるわけだから、やっぱり努力したほうが良いに決まっています)
つまり、今言われている政策は、「努力が報われる社会」とは違うということです。
また、現実はアメリカンドリームみたいな1%の人達が報われる社会なのだから、努力の量は、その1%の人達と同じくらい必要だと言うことです。そんな努力を求められるとしたら、私は逃げ出します。
普通の人が抱くイメージは、平均的な日本人が、平均的に努力して、平均的な家庭もって幸せな人生を送ることだと思います。
しかし、そのような政策は見当たりません。
少なくとも平均で60時間の残業を強いられることは、平均的な努力だとは思えません。
憲法の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に反していると思います。
もちろん、千人とか万人に一人くらいは仕事ジャンキーな特異体質な人もいるとは思いますが、それを平均的な日本人とは呼ばないと思います。
ちなみに平均的な幸せとは、一億総中流社会につながります。
そして、外国に言われせれば、一億総中流社会とは「世界で最も成功した社会主義国」になります。
それは、かつての自民党が成し遂げたものですが、自民党からすれば社会主義国とか言われたくないのかもしれません。
(もっとも企業戦士などのブラック労働が蔓延していただろうから、御免こうむりたいが)
繰り返して言うが、
× 努力した人が報われる社会
○ 努力しろ、結果は知らん。。。。。。。。。。。。。報われるのは1%。
さらに言うと、就職氷河期世代は、今更頑張って、何が報われると言うのだろうか。
(◎´∀`)ノ
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