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「時給1000円」払えないのはダメ企業? 最低賃金引上げより直接給付が100倍マシな理由(城繁幸)
https://www.j-cast.com/kaisha/2019/06/04359074.html
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相当嫌らしいな。
「政府が全国一律の最低賃金1000円への引き上げを「骨太の方針」に盛り込むことを検討中との報道に対し、日本経済団体連合会および日本商工会議所のトップが相次いで懸念を表明し話題となっている。
一部の意識高い系の人達の中には「時給1000円も払えないようなダメ企業は淘汰されて当然」とおっしゃる人もいるようだが、物事はそう単純でもない。というわけで、今回は最低賃金レベルの時給しか払えない会社について、まとめておこう。」
私も、時給1000円も払えないような会社は退場してもらいたいと思っている。
時給1000円が払えないなら、社長が一人で働けばいいと思っている。
なぜ、雇用という形態に拘るのだろうか。そこがミソなのか。
「筆者の田舎で食品加工を細々と行っているA社は、従業員の半分以上に最賃ギリギリの時給しか払っていないそうだ。働いているのは近所の中高年で、一番若い人で50代、年金受給者も複数いる。
「もう会社はたたんでもいいけれど、仕事があるうちは働きたいという従業員がいるから」という理由で事業を続けているという。
こういう職場に、ダメ企業淘汰論者が乗り込んでいって「皆さんおめでとう!もう低賃金で働く必要はありませんよ! 我々と一緒にハローワークに行ってもっと高い時給の会社に転職しましょう!」と言ったらどうなるか。たぶん、みんな「はぁ?」となるに違いない。
そんなA社の社長は、設備投資でもして生産性を高めて時給を上げる努力をするだろうか。たぶんだが、おそらくは廃業すると思われる。では、働いていた老人たちは街に出て再就職活動をスタートさせるだろうか? これもたぶんだが、ほとんどは就労を辞め、生活費の不足分は福祉のお世話になるだろう。」
社長も含めた全員が個人経営者となり、共同で運営すればいい。そうすれば、最低賃金の縛りが無くなる。
組合いみたいな形式を取ればいい。
そもそも、このような会社は、どれくらいあるのか?
前にネットの書き込みを見ていたら、長時間労働に制限がかかればフリーランスで勝負できると書いている人がいた。
なるほど、長時間労働と低賃金を武器にしている会社が多ければ、フリーランスでは勝負にならない。消耗戦を強いられるだけだろう。
起業やフリーランス、または雇用の流動化を高めるには、最低賃金を上げることがひとつの手なのだろう。
一時的に会社の数が減るかもしれないが、しばらくすれば起業によってカバーされることが期待できる。それで良いと思う。
「ちなみに、最低賃金の大幅な引き上げという、いちかばちかの賭けをした韓国は経済に急ブレーキがかかり、リーマンショック以来と言われるほどの経済の落ち込みに見舞われている。
本当に最低賃金の引き上げで国全体の生産性を上げようと思えば、思い切った引き上げが必要だし、それは現実には雇用減という形で強い副作用をもたらす。筆者は生産性云々と再分配の議論は分けて行うべきだと考える。」
他の記事を見ていたときに、韓国は短期間に最低賃金を上げ過ぎたから失敗したとあった。最低賃金の引き上げ幅を低くしていたイギリスは効果がでているとあった。だから、最低賃金を上げるなら思い切った引き上げではなく、市場の動向を見ながら抑制的に上げるべきだろう。
「給付付き税額控除(「負の所得税」とも)といったもので、一定の水準を下回る人には所得税を徴収するのではなく、現金を給付するという仕組みだ。すでに複数の先進国で導入済みの制度である。
これなら本当に時給が上がるかどうか「いちかばちか企業に丸投げする」ような、最低賃金の引き上げと違い、低所得者層に確実に現金が届くことになる。」
ベーシックインカムを推進したいのだろうか。
ベーシックインカムは、落とし穴がありそうだから、安易に賛成したくない。
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生産性は最低賃金を引き上げれば向上するのか
令和は「重い宿題を解決すべき時代」になる
https://toyokeizai.net/articles/-/281248
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相当嫌らしいな。
「英国が1999年に最低賃金を復活させて2018年までに2倍を超える水準にまで引き上げたというものです。その結果として、低い失業率を維持したままで英国の生産性が大いに高まったというのです。
しかし現実には、2017年の1時間当たりの労働生産性は53.5ドル、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の中では19位と、日本(47.5ドル・20位)と大して変わらない状況にあります。おまけに、英国の物価は日本に比べてかなり高いので、国民の大半が生活水準の悪化に苦しんでいて、政治への不信からEU離脱派とEU残留派に分断し、民主主義の土台である社会の結束が破壊されてしまっています。」
前述でイギリスで効果があったと書いたのだが、このような指摘もあるようだ。しかし、だからと言って、最低賃金の引き上げに反対する気にはならない。
「「実質賃金を上げ続ける方法はないのか」というご質問に対する私の答えには、どうにも納得していただけなかったようです。私の答えはもう10年近く言い続けていることですが、「農業、観光、医療などを成長産業として地道に育成し、海外からの需要を底上げしていく」というものでした。即効性のある魔法の杖はないのです。」
農業、観光、医療が良いかは分からないが、「即効性のある魔法の杖はない」には同意。
「「物価が上がることによって、景気がよくなったり、生活が豊かになったりする」のは経済の本質ではありません。経済の本質からすれば、「景気がよくなったり、生活が豊かになったりする結果として、物価が上がる」というものでなければならないのです。
経済学の世界では、「鶏が先か、卵が先か」の議論が成り立ってしまうことがありますが、実際の経済は決してそのようには動いていかないものです。経済にとって本当に重要なのは、「どちらが先になるのか」ということなのです(当然のことながら、「景気がよくなる」とは、大多数の国民がそう感じることが前提であります)。」
「原因」と「結果」には同意。
ただし、なぜ景気が良くならないかと言えば、必要なところにお金が流れないからだ。消費意欲が高い人にお金が流れないからだ。
結局は、お金の奪い合いになって、お金のある人に流れていく。これでは消費が増えるわけがない。
それが分かっていて、やっているのだろうし、言っているのだろう。タヌキの化かし合いなのだ。国民はこのことを認識すべきである。
「仮に最低賃金を5%ずつ10年間にわたって引き上げようとすれば、5年もしないうちに地方でアルバイトやパートで成り立っている業態は大半が倒産か廃業に追い込まれるでしょう。確かに、最低賃金引き上げを実行すれば、AIの導入や自動化によって生産性を上げられる体力がある一部の企業は生き残ることができますが、その代わりに中小零細企業を今の半分に淘汰しなければならないという覚悟が必要になるのです。
最低賃金を継続的に引き上げることによって、従業員を解雇しなければならない、あるいは、廃業をしなければならない経営者が増えていくことになるでしょう。雇用の受け皿となる新しい産業が育っていない現状では、地方を中心に失業者が急増し、国民の所得が総じて減るのは不可避なことです。
中小零細企業の適者生存を促すためには、それによって失われる雇用が難なく他の企業に移動できる環境整備を行っておかなければなりません。言い換えれば、淘汰される企業や産業の代わりに、いくつもの成長産業を育成しておかなければならないというわけです。最低賃金の引き上げや生産性の向上が目的化してしまうと、日本はリーマン・ショック期のアメリカ並みに失業者であふれかえってしまうのではないでしょうか。(2019年4月4日の『令和時代に国民が豊かになるたった1つの方法』を参照)」
低賃金で成り立っている産業が、淘汰されるのは自然なことでは?
低賃金の産業は将来どうやって発展するのか。労働者はどうやって将来自立するのか。低賃金に依存していることが問題なのでは?
中小零細企業の半分が淘汰されるとあるが、いくらなんでも、それはやり過ぎだ。
あくまで企業の新陳代謝を目的とすべきだ。前述したが、起業や人材の流動化を目的としてもいいと思う。
ブラック企業の排除も目的とすべきだ。
もしも、起業より倒産のほうが多すぎれば、社会が混乱する。
最低賃金を引き上げれば、長期的には生産性にも効果があるかもしれないが、直接的な効果は無いような気がする。
そもそも、なぜ最低賃金の引き上げと生産性の向上の話しがセットになったのだろうか。いつからそんな話しになったのだろうか。
仲間同士で仲良くやりたいなら、組合いみたいな形式も取れるだろう。起業や人材の流動化による新陳代謝を嫌がっていたら、景気が良くなるとは思えない。
「生産性の向上から実質賃金の上昇へ、実質賃金の上昇から消費の拡大へと好循環を実現するためには、国民や企業にある将来への不安・危機感を和らげることが何よりも先決であります。
今後も加速していく少子高齢化や膨らみ続ける財政赤字など、日本が抱える構造的な問題に対して有効性が認められる構造改革を実行すると同時に、日本の潜在力を生かした成長産業の育成を進めることこそが、生産性の向上や実質賃金の上昇にとってもっとも求められている政策であるというわけです。」
社会が、長時間労働と低賃金に依存している状況を改善するべきだ。
将来が不安になるのは、選択肢が無いからだと思う。起業やフリーランスで自立できる道が示されれば、希望も湧いてくるのではないか。
構造改革と言いながら、それが現状維持の手段として用いられるのには、もうウンザリだ。
(ノ*ФωФ)ノ
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