「間違いだらけの「ジョブ型」議論、成果主義ではない」。労働者なら読んだほうが良い。
---
間違いだらけの「ジョブ型」議論、成果主義ではない…第一人者・濱口桂一郎氏が喝!
https://www.sankei.com/premium/news/201014/prm2010140001-n1.html
---
少し前の記事ですが、感想です。
ズバリと言っているので、労働者なら、この記事を読んでおいた方が良いと思います。
「「ジョブ型を成果主義と結び付ける誤解が多く、おかしな議論が横行している」と警鐘を鳴らす。」
「ジョブ型とは、採用時から職務をはじめ勤務場所や労働時間などを明確化した雇用契約を結び、その範囲内でのみ仕事を行うという欧米はじめ世界的に標準の雇用システムを指す。典型的な例が米国の自動車産業の工場労働者で、細分化された具体的な職(ジョブ)に就くという、文字通りの意味での「就職」だ。
これに対し、「入社」という言葉や新卒一括採用制度に象徴されるように、職務を限定せずにまず企業共同体のメンバーとして迎え入れ、担当する仕事は会社の命令次第という日本独特の正社員雇用は「メンバーシップ型」と呼ばれる。職種や勤務地、時間外労働などに関し使用者に強い命令権を認める代わりに、命じられた仕事がなくなった場合でも会社が別の業務に配置転換させる義務を負うなど、共同体の一員として簡単には整理解雇されない。」
すこし補足するなら、労働者が、企業に依存しているか、職業に依存しているか、という見方ができる。
また、企業別労働組合と産業別労働組合の違いとも言える。労働者を保護するバックボーンが違うということ。
日本は解雇回避の義務が強いらしいが、ジョブ型が主体の欧米でも、解雇回避はそれなりにされているらしい。
「そもそもジョブ型では管理職など一部の上層を除けば、中から下の人についてはいちいち成果を査定しません。なぜかといえば、そのジョブに就ける人間かという評価はすでに採用時に済んでいるから。後はジョブ・ディスクリプション(職務記述書)に書かれた内容をちゃんと履行しているかだけです」
これ重要なことだと思う。覚えておいたほうが良い。
「メンバーシップ型では末端まで正社員全員を評価の対象にする。だが業績の評価といっても、ジョブの明確な切り分けのない日本企業で、しかも決定権や責任のない一般社員に対して適切に行うのは困難であるため、社員の「頑張り」を評価する疑似成果主義になりがちだ。」
これも重要なことだと思う。一般社員を適切に評価できないという点は、重要。
「産業革命後の欧米社会で長期間かけて形成された雇用モデルであるジョブ型に対し、高度成長期の日本で定着したのがメンバーシップ型だ。1980年代までは硬直的な欧米のジョブ型と比べ、柔軟で労働者の主体性を引き出す仕組みだと称賛もされてきたが、90年代以降は「正社員」枠の縮小に伴う非正規労働者の増加、無限定な働かせ方に起因するブラック企業化など、各種の問題が噴出するようになった。」
メンバーシップ型が柔軟とあるが、一定の範囲内の変化には柔軟に対応できると思う。なぜなら、滅私奉公だから。
しかし、ビジネスモデルが大きく変わるときは、大規模な事業再編などが発生するため、リストラを考慮する必要がある。ビジネスモデルが変わる場合は、ジョブ型の方が機動性が高いと思う。
メンバーシップ型は、年功序列と終身雇用であるため、本来はリストラできない。それでも、リストラを強行するなら、年功序列と終身雇用にセットとなっている滅私奉公を放棄しなければならない。
企業が手放そうとしない滅私奉公は、年功序列と終身雇用が前提となっていることを忘れてはならない。
(*´ω`*)モキュ
« 「「政治家が徴税を理解できていない」年収800万円の40代女性、アンバランスな税制に憤慨」。国民負担率とは。 | トップページ | 「富岳は、主要なスパコンベンチのすべてで1位を獲得することが重要」。面白い。 »
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 「比例区の投票先「維新」16% 立憲を初めて上回る」。維新の勢い。(2023.05.31)
- 「芳野連合会長「立民と国民、一枚岩に」」。お願いイズム。(2023.05.24)
- 「「悪意でしか承認欲求を満たせないのか」怒りの声が殺到」。人を呪わば穴二つ。(2023.05.14)
- 「「政治が悪いからテロ」の容認論を絶て」。ここまでがセット。(2023.05.01)
- 「維新がふわっと支持を拡大」。ふわっとした支持が重要。(2023.04.28)
« 「「政治家が徴税を理解できていない」年収800万円の40代女性、アンバランスな税制に憤慨」。国民負担率とは。 | トップページ | 「富岳は、主要なスパコンベンチのすべてで1位を獲得することが重要」。面白い。 »
コメント