「「最低賃金1000円」「賃上げ3.58%」にだまされるな」。ベクトルが違う。
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「最低賃金1000円」「賃上げ3.58%」にだまされるな 岸田首相の「構造的賃上げ」で倒産地獄も 古賀茂明
https://news.yahoo.co.jp/articles/8277134ebc7e543c36f951421159b06fda800111
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目についたので、すこし感想。
「岸田首相がことあるごとに「1000円」と声高に叫んでいたので、最低賃金を決める今年の厚生労働省の審議会は結論ありきで形式的なものになるのかと思われたが、予想に反して議論は紛糾。7月26日に結論を出すはずだったのに9時間の議論の末持ち越し。ようやく28日に1002円とする目安を決めた。」
へぇ。
「1980年代には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と賞賛された日本企業だが、90年代以降、韓国・台湾などの追い上げに遭い、急速に国際競争力を失った。本来は、ここで、日本の企業は、労働条件を引き上げながら競争できるビジネスモデルへの転換を図らなければならなかったのだが、経団連企業の経営者にはその知恵がなかった。
欧米諸国では構造転換に20年以上を費やして成長軌道に戻ってきたが、日本企業は最初からその努力を放棄し、労働コスト引き下げで競争力を維持するという、極めて安易な方向に逃げたのだ。」
「競争に勝つ」
「今だけ金だけ自分だけ」
「実感なき好景気」
この3点は「国家の繁栄」につながるだろうか。
格差とは、大勢の人が生活が苦しくなるので、国家の衰退につながる。日本を見ていると、それがよく分かる。
「競争に勝つ」ことは、「国家の繁栄」につながるように感じるが、競争に勝っても「今だけ金だけ自分だけ」と考えれば、やはり「国家の繁栄」にはつながらない。
競争に勝つ人と、国家を繁栄させる人は、必ずしもイコールではない。
一見して、好景気に見えても、一部の人達だけで利益を還流させれば、それは「国家の繁栄」にはつながらない。
長期的には人材が重要なのだが、その人材が蔑ろにされれば、当然「国家の衰退」となる。
「経済成長」を見ても、それが「国家の繁栄」につながるとは限らない。イコールではないのだ。
個人の利益と国家の利益は、必ずしも一致しない。つまりベクトルが違う。
最低賃金を抑制すれば、庶民の生活は苦しくなる。庶民が豊かになるには、他の庶民が豊かにならなければならない。なぜなら、庶民の仕事相手は、往々にして庶民だからである。
日本は、まさに庶民の生活を苦しくして、国家を衰退させている。国家を繁栄させたければ、庶民の生活を豊かにすることだ。
競争に勝つ人が悪いとは言わない。これは個人の思想なのだから、自由である。
しかし、競争に勝つことしか頭にない人では、国家の繁栄につながらない。これが肝要である。
従って、その政策って、国家の繁栄にベクトルが向いているのか、よく観察するべきだ。
政策の中には、国家の繁栄を装飾しているものもあるだろう。それが実感なき好景気のベクトルなのか見極めるべきだ。
競争に勝つことは大事である。勝たなければ、何も始まらないときもある。だから、競争に勝つ人は大事である。
だからと言って、競争に勝つ人が、国家を繫栄させてくれるとは限らない。勝つことに拘っていれば、自分だけが勝つことを考えるかもしれない。
勝つことに執念を燃やしている人には、用心したほうがいい。しつこいようだが、ベクトルが違う。
「自民党による無能な経団連経営者への支援はそれだけではなかった。安価な労働力供給のために外国人労働者受け入れを拡大したのだ。
外国人技能実習制度はその代表格。「技能実習」で国際貢献というのは、真っ赤な嘘で、実態は、現代版奴隷制で、技能実習生が、間に入ったブローカーやブラック企業に搾取される悲惨な例が蔓延した。」
日本人が衰退して、外国人が隆盛する。これが国家の繫栄だろうか。名称だけは日本かもしれないが、日本とは別のものになる。
外国人を否定するつもりはないが、外国人労働者を増やしても、庶民が豊かにならなければ国家の繁栄にはつながらない。
外国人労働者が増えれば、庶民が低賃金に苦しむ。
今の若者は、自民党をリベラルと考えているという話しが、話題になったことがある。
確かに、これはリベラルだ。ついでに書くと、外国人労働者の拡大は、派遣労働の拡大と同じなので、ネオリベラルとも言える。
では、なぜ保守の人達は、リベラルである自民党を応援するのか。
「連合の賃上げが3.58%で凄いというのもミスリーディングだ。なぜなら、このうち定期昇給とベースアップを区別できる組合のベアの平均は、2.12%に過ぎなかったからだ。定昇は、個人単位で見れば賃上げになるが、企業全体では賃金の引き上げにはならない。
7月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比3.0%の上昇だったので、真の賃上げであるベア分2.12%では、実質賃金は2.12-3.0=マイナス0.88%に沈む。」
「最低賃金を上げて庶民が豊かになる」よりも前に、物価が上がった。なぜだろう。。。
記事にもあるように、庶民は相対的に貧乏になった。
低賃金で、且つ、円安だと、庶民は踏んだり蹴ったりだ。
大事なことだから二度書くが、低賃金で、且つ、円安って、誰の思惑なのだろうか。
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さて、衆議院選挙は2021年10月だったので、解散が無ければ2025年10月の任期満了が選挙となる。
参議院選挙は3年毎に半数が改選されるので、前回は2022年7月だったから、次は2025年7月となる。
選挙の度に「政治がよく分からない」と言っている人がいる。
しかし、9割の人は政治が分からないと思った方がいい。
ほとんどの人が政治が分からないのだから、不満があれば「政治にNO」、満足しているなら「政治にYES」、でいい。
<政治にNO>
野党を選ぶ(次点の政党を選ぶ)
<政治にYES>
与党を選ぶ
白紙投票
投票に行かない
そもそも野党が分からないと言われそうだが、自民の次点である維新か立憲でいい。何も考えずに次点でいいのである。
野党は期待できないと言われそうだが、そもそも自分自身が不安定な生活なのに、なぜ政治家に安定を提供するのか。
政治家に不安定を提供しよう。そうすれば庶民のことを考えるようになるかもしれない。
野党には政権担当能力がないと言われそうだが、政治が分かる人は政権担当能力について議論すればいい。
しかし、政治が分からないのなら、政権担当能力なんて考えるだけ時間の無駄である。
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庶民が、経済の恩恵を受けたいのなら、消費の活性化だと思う。
消費の活性化のためには「累進課税の強化」、「応能負担の強化」、「貯め込んだら増税」が必要だと思っている。
優先すべきはフローである。
例えば、黒田バズーカをやっても一部の人にしか恩恵はなかった。庶民が潤ったという話しは聞かない。
バラマキや規制緩和しても、小泉政権や安倍政権で起きた実感なき好景気しか生まれない。
繰り返し書くが、必要なことは「累進課税の強化」、「応能負担の強化」、「貯め込んだら増税」の3点である。
さて、バラマキや規制緩和すると、なぜ実感なき好景気になるんだろうね。ウフフフフ。
(憶測で書いているので鵜呑みにしないでください。間違っていたときはゴメンナサイ。謙虚に。謙虚に。)
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