「だから小泉進次郎氏は「解雇規制緩和」をぶち上げた」。賃上げのロジックとは何か。
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だから小泉進次郎氏は「解雇規制緩和」をぶち上げた…業績好調企業で50代社員の「口減らし」が始まっている理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/80bca04d3e09b797f992fbf285520e28db55bf06
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この記事を読んで、疑問を感じない人は、もっと勉強したほうがいいと思う。
「早期退職を募る企業の狙いの一つは、50代など給与や退職金の支払い負担が大きい世代の割合を減らすことで、全体としての賃上げの持続性を高めることがありそうだ。
わが国の少子高齢化の影響で、人手不足はさまざまな分野で深刻化している。有用な人材を確保するためには、どうしても給与水準の引き上げは避けて通ることができない。できるだけ人件費負担を増やさないために、シニア層の割合を減らすことが重要だ。それによって、労働市場から専門性の高い人材を獲得することも目立っている。」
ブログで何回も書いているが、メンバーシップ型とは、年功序列と終身雇用で成り立っている。
高齢になったからといって、高い賃金が支払えないのは、高利回りの詐欺と同じである。
「ジョブ型人事制度の導入に伴い50代の管理職を対象に早期退職を募ったエネルギー大手企業があった。同社では、退職する人に追加の割増金を支払った。それにより、若手に管理職のポストを空けて組織の新陳代謝の促進を目指した。
製薬業界でも、早期退職を募る企業は増えているようだ。最近、国内の大手製薬企業は2020年に続いて希望退職を実施した。今回の募集は前回と異なり、今回は勤続年数3年以上を対象に幅広く早期退職を募った。主に、国内の営業や研究開発の部署が対象になっているという。
デジタル化に伴う対面営業の必要性の低下、新薬開発のための資金確保、専門性の高い人材獲得のポストの捻出と、これからの賃上げ原資の確保が主な狙いとみられる。」
「その背景の一つは、人件費の固定部分を圧縮し、賃上げを行いやすい体質を実現することだろう。人口減少による人手不足もあり、わが国の企業が有用な人材を確保するためには賃上げは避けて通れない。
それに加えて、2021年の春先以降、物価が上昇した。足元でも、国内の消費者物価指数は日銀が物価安定の目標に掲げる2%を上回っている。食料、日用品など家計の生活負担は高まった。その状況下、ゆとりある暮らしを目指して、少しでも賃金の高い企業に移ろうとする人は増加傾向にある。」
賃上げとは、何か。
最初は、人材を安く使って、高くなったらポイッですか。
賃上げの定義が、おかしい。
記事を読んだだけなので、詳しいことは分からない。
しかし、賃上げを前提にしているなら、それは年功序列であり、メンバーシップ型となる。
そして、メンバーシップ型の末路は、おじさんのリストラである。
賃上げのロジックというか、根拠というか、賃上げが空虚なものに見えてしまい意味不明である。
「賃上げを続けることが難しい企業は、他社に人材を引き抜かれる恐れが増す。賃上げが難しく人材が流出し、“人手不足倒産”に陥る中小企業も増えているという。今後、賃上げの重要性は高まりこそすれ、低下するとは考えにくい。わが国の企業にとって賃上げの余力は、企業の長期存続を脅かす要因の一つとなっている。
第2次世界大戦後、わが国の産業界、特に大企業では新卒一括採用、年功序列、終身雇用の雇用慣行が定着した。わが国の一般的な給与体系では、勤続年数が長くなれば、自然と給与は増加傾向を辿るケースが多い。しかし、経済が複雑化し、個々人の専門性が求められる時代になると、そうした旧態依然としたシステムはワークしなくなる。」
何回も書くが、賃上げを前提にしていることが、そもそも年功序列である。
もうひとつ考えられることは、賃上げが高度人材のみに適用され、且つ、解雇規制が緩和された場合にどうなるか、である。
普通に考えれば、短期利益が重視される環境となる。
短期利益とは、「今だけ金だけ自分だけ」というイメージが強いのだが、これは金融投資にとって良い環境と思える。
すなわち、労働者が、短期サイクルでシャカリキに働くことで、経済が動いて、金融投資が活発となる。
しかし、それはブラック労働の再来である。賃金が上がることを期待して、我慢しながら働かされる労働者が、馬鹿を見るだけである。
「今後、政府は、労働市場の改革とともに、労働市場のセーフティーネットの整備を進める必要性がある。ハローワークの機能見直しや失業保険の在り方に加え、新しい技能の習得や再就職先紹介制度などが重要だ。それは、中長期的なわが国経済の成長に必要不可欠の条件だ。」
最近、リカレント教育が注目されているが、その一方で、長時間労働を求める声がある。
長時間労働と勉強の両立は無理だろう。そして、そこに子育てや親の介護の問題もでてくる。どう考えても無理である。
また、解雇規制の緩和について、多くの若者が賛同しているようだが、解雇規制の緩和によって、おじさんが排除された後は、どうなるか。
外国人労働者を増やすことが言われているが、若者は外国人労働者と競合させられるのではないか。
短期利益を求めるならば、おじさんを排除して、外国人労働者と若者を競合させて、賃下げ圧力をかければいいだけである。
そんな思惑が透けて見えるかのような話しである。
どこかの誰かにとって都合のいい社会システムに迎合するのではなく、庶民には「貯め込んだら増税」のほうがいい。
「貯め込んだら増税」のほうが、経済が活性化して庶民は恩恵を受けやすいだろう。
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さて、衆議院選挙は2021年10月だったので、解散が無ければ2025年10月の任期満了が選挙となる。
参議院選挙は3年毎に半数が改選される。前回は2022年7月だったから、次は2025年7月となる。
自民党総裁の任期は3年である。2021年9月に就任したため、辞任しなければ2024年9月が総裁選となる。
この総裁選で世論を盛り上げて、その勢いで衆議院選挙に勝つことが、与党にとってはベストとなる。
選挙の度に「政治がよく分からない」と言っている人がいる。
しかし、9割の人は政治が分からないと思った方がいい。
ほとんどの人が政治が分からないのだから、不満があれば「政治にNO」、満足しているなら「政治にYES」、でいい。
<政治にNO>
野党を選ぶ(次点の政党を選ぶ)
<政治にYES>
与党を選ぶ
白紙投票
投票に行かない
そもそも野党が分からないと言われそうだが、自民の次点である維新か立憲でいい。何も考えずに次点でいいのである。
野党は期待できないと言われそうだが、そもそも自分自身が不安定な生活なのに、なぜ政治家に安定を提供するのか。
政治家に不安定を提供しよう。そうすれば庶民のことを考えるようになるかもしれない。
野党には政権担当能力がないと言われそうだが、政治が分かる人は政権担当能力について議論すればいい。
しかし、政治が分からないのなら、政権担当能力なんて考えるだけ時間の無駄である。
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庶民が、経済の恩恵を受けたいのなら、消費の活性化だと思う。
消費の活性化のためには「累進課税の強化」、「応能負担の強化」、「貯め込んだら増税」が必要だと思っている。
優先すべきはフローである。
例えば、黒田バズーカをやっても一部の人にしか恩恵はなかった。庶民が潤ったという話しは聞かない。
バラマキや規制緩和しても、小泉政権や安倍政権で起きた実感なき好景気しか生まれない。
繰り返し書くが、必要なことは「累進課税の強化」、「応能負担の強化」、「貯め込んだら増税」の3点である。
さて、バラマキや規制緩和すると、なぜ実感なき好景気になるんだろうね。ウフフフフ。
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拝金主義というものがある。金銭こそが最上のものと考え、何よりも大事に扱うといった考え方や性格のことらしい。
同じような言葉で経済人(ホモ・エコノミクス)というものがある。経済的合理性に徹し、自己の効用・利得の極大化を目指し、他者の効用・利得を考慮に入れることがないということらしい。
そして、「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」という言葉がある。
つまり、プレイヤーとして優秀だとしても、徳が無ければ管理する側に立たせてはいけないということ。
(憶測で書いているので鵜呑みにしないでください。間違っていたときはゴメンナサイ。謙虚に。謙虚に。)
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