「ジョブ型雇用で年収2,400万円の45歳サラリーマン、「転職前の年収450万円だったころ」に戻りたいと嘆く理由」。笑った。
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ジョブ型雇用で年収2,400万円の45歳サラリーマン、「転職前の年収450万円だったころ」に戻りたいと嘆く理由…正規社員・解雇規制緩和の「皮肉な処方箋」【FPが解説】
https://news.yahoo.co.jp/articles/59e8c211b3a387307e9867502ab6181254efade2
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笑った。ジョブ型と言っているが、それは違うだろう。
「Sさんはこの会社で大きく業績を伸ばし、33歳を超えるころから30棟前後を契約できるようになりました。住宅業界でも決して少なくはない棟数です。商品力とSさんの営業スタイルがマッチしたのでしょう。年収は業界のマイルストーンである1,000万円を軽く超え、2,000万円の大台に。」
「Sさんが言います「新卒の子に能力的にちょっと心配な子がいて、お母さんがよろしくお願いしますと職場に挨拶に来たことがありました。責任を持って育てて一人前にしなきゃなと思っていましたが、店長を含め、先輩社員たちも親身にはならず、叱りもしない。あっという間に成績ゼロで2年が過ぎ、その子は解雇されてしまいました。事務的に解雇を言い渡されたのでしょう、会議室から出てきた彼は泣いていました。その日のうちにいなくなったのですが、きっと家ではお母さんも泣いたんじゃないかと想像しました……」。
自分が解雇されたときのことを強く思い出したのです「当時の僕は惨めで、世の中から必要とされないなら死にたいとさえ思ったものです」。」
「「僕もケガや病気になって売れなくなったら解雇なのでしょう」とSさんが言うと、それにたいして役員は「それがプロの世界だ」と言うのです。Sさんはその言葉に驚いてしまいました。
プロ? プロ野球選手じゃあるまいし、雇用関係がある場所でプロという言葉で社員の生活に対する責任を誤魔化しているだけではないのか。「プロではなく、経営者でもなく、労働者ですよ僕たちは」Sさんはそう言うものの、役員は素知らぬ顔です。」
私は、欧米のジョブ型を見たことがないので、ジョブ型という定義しか知らない。
それでも、私なりに思ったことを書く。
まず、解雇されたら絶望するという話しは、人生が会社に依存しているメンバーシップ型の話しだと思う。
それに対して、ジョブ型は、自分の職業に依存している。従って、自分自身の職業を、最大限に活かせる会社へ転職していくから、会社には依存しない。
ジョブ型では、会社が仕事を保証しているわけではなく、職業別労働組合が仕事を保証することになると思う。
職業別労働組合なのだから、自分達で、自分達の職業を守っていくことになると思う。賃金交渉も職業別労働組合にとっては大事なことだと思う。
日本の労働組合はよく分からない。メンバーシップ型だから、基本的には会社単位の活動になる気がする。だから、給与額は会社に依存することになる。
ジョブ型が絶望するとしたら、その職業が社会的に落ち目になったときだろう。
新入社員が結果を残せず解雇されたとしたら、それはジョブを身に付けていなかったということになる。
逆に過剰なノルマの場合は、職業別労働組合の出番だろう。
ジョブを身に付けているにも関わらず、不当に扱われるとしたら、職種別労働組合を交えての労働闘争になると思う。
給与額が職業に依存しているから転職が可能なのであって、会社に依存していたら転職なんてできない。
つまり、日本の社会は、ジョブ型に全く適応していないのだから、解雇規制の緩和という部分最適化をすると、最悪になるということ。
この記事でも、解雇規制の緩和には反対のようだが、ジョブ型とメンバーシップ型を混同しているように思える。
まぁ、解雇規制の緩和とジョブ型の両方を批判したいだけなのかもしれないが。
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さて、衆議院選挙は2021年10月だったので、解散が無ければ2025年10月の任期満了が選挙となる。
参議院選挙は3年毎に半数が改選される。前回は2022年7月だったから、次は2025年7月となる。
自民党総裁の任期は3年である。2021年9月に就任したため、辞任しなければ2024年9月が総裁選となる。
この総裁選で世論を盛り上げて、その勢いで衆議院選挙に勝つことが、与党にとってはベストとなる。
選挙の度に「政治がよく分からない」と言っている人がいる。
しかし、9割の人は政治が分からないと思った方がいい。
ほとんどの人が政治が分からないのだから、不満があれば「政治にNO」、満足しているなら「政治にYES」、でいい。
<政治にNO>
野党を選ぶ(次点の政党を選ぶ)
<政治にYES>
与党を選ぶ
白紙投票
投票に行かない
そもそも野党が分からないと言われそうだが、自民の次点である維新か立憲でいい。何も考えずに次点でいいのである。
野党は期待できないと言われそうだが、そもそも自分自身が不安定な生活なのに、なぜ政治家に安定を提供するのか。
政治家に不安定を提供しよう。そうすれば庶民のことを考えるようになるかもしれない。
野党には政権担当能力がないと言われそうだが、政治が分かる人は政権担当能力について議論すればいい。
しかし、政治が分からないのなら、政権担当能力なんて考えるだけ時間の無駄である。
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庶民が、経済の恩恵を受けたいのなら、消費の活性化だと思う。
消費の活性化のためには「累進課税の強化」、「応能負担の強化」、「貯め込んだら増税」が必要だと思っている。
優先すべきはフローである。
例えば、黒田バズーカをやっても一部の人にしか恩恵はなかった。庶民が潤ったという話しは聞かない。
バラマキや規制緩和しても、小泉政権や安倍政権で起きた実感なき好景気しか生まれない。
繰り返し書くが、必要なことは「累進課税の強化」、「応能負担の強化」、「貯め込んだら増税」の3点である。
さて、バラマキや規制緩和すると、なぜ実感なき好景気になるんだろうね。ウフフフフ。
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拝金主義というものがある。金銭こそが最上のものと考え、何よりも大事に扱うといった考え方や性格のことらしい。
同じような言葉で経済人(ホモ・エコノミクス)というものがある。経済的合理性に徹し、自己の効用・利得の極大化を目指し、他者の効用・利得を考慮に入れることがないということらしい。
そして、「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」という言葉がある。
つまり、プレイヤーとして優秀だとしても、徳が無ければ管理する側に立たせてはいけないということ。
(憶測で書いているので鵜呑みにしないでください。間違っていたときはゴメンナサイ。謙虚に。謙虚に。)
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